ヤンデレ王子が嫌で夜逃げしましたが、隣国にも変な王子がいました。

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 今日は外も快晴。小鳥のさえずりが小気味よくミリナの心を揺り動かす……と、思いきや、部屋中に積み上げられた贈り物の数々を見てげんなりした。全てオリニヨン王国、第三王子ファーレルからの贈り物だった。  花束も相当数あったが、全てドライフラワーと化している。しがない子爵令嬢になぜここまで執着するのかミリナにはわからなかった。一体いつどこで気に入られたのか記憶にもない。  気がつけば、毎日のように贈り物が届きこのあり様だ。夜会にも何度となく誘われ、王族の誘いを断ることはできないので、仕方なく病気を理由にして欠席したためファーレル王子には病弱令嬢と思われていることだろう。  さすがに王族からの誘いをこれ以上断ることはできない。兄のロイドや両親、シュロス子爵家一門に迷惑をかけることになるからだ。  ミリナはついに心を決めた。隣国トトムへの夜逃げ決行だ。
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