6、夫に初夜を求められています

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 マリーが出て行ったあと、リリアはベッドに入って目を閉じた。  すると脳裏にライザスの不愛想な顔が出てきて複雑な気持ちになった。 (ああ、きっと私の失態をまだ怒っていらっしゃるのだわ。信用を取り戻すためには何としても次の儀式で失敗できないわね)  実はここのところ書庫に通い詰めているのは魔導書を読んでいるからだった。  ここには伯爵家にはなかった高度なスキルの魔導書が多くある。  侯爵家専属の魔導士に相談してみたところ、やはりリリアの魔力に問題があると指摘された。  魔力を上げるための教えを願い出たが、魔導士は面倒だと言って拒否した。  自分で何とかしろと言うのだ。 (少しくらい手伝ってくれてもいいのに。冷たいのね)  まあ、冷たくされるのは慣れている。  実家にいた頃も伯爵家の魔導士や兄たちに散々冷たくされた。  まだ嫌がらせをされないだけ侯爵家はマシなものだと思う。 (明日も書庫へ行きたいけれど、旦那さまが出発するまでは部屋で大人しくしていよう)
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