12、侯爵家の一族

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 そして侯爵家に親戚が集まる日だ。  使用人たちはいつも以上に気をつけて掃除をし、客人を迎えるための準備をおこなった。  ライザスは接待も完璧にしたい性格でかなり細かく指示されるのだとマリーは言った。 「それはもうテーブルや椅子の位置から紅茶の種類とお菓子まですべて徹底的にチェックされるんですよ」 「そうなの……大変ね」 「ええ。でもリリアさまもですからね」 「そうね」  マリーはリリアの髪型を整えながら言った。  そう。ライザスはここ数日間、リリアに似合うドレスや宝石を選ぶために衣装屋を呼びつけ、一日中リリアを着せ替え人形にしたのだ。  高価な宝石をいくつも購入し、メイクの仕方までマリーに練習させ、すべてにおいてライザスが納得できるまで事細かくチェックした。  おかげでマリーはげっそりしている。 「準備はできたか?」  ライザスがやって来て、マリーは急いで髪型を仕上げた。  リリアは大きな花飾りのついたワインレッドのドレスを着て髪型はハーフアップにしている。  宝石のついた小さなティアラを身につけ、胸もとにもきらびやかなネックレスが輝いている。  花嫁衣装よりも豪華だった。
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