2、虐げられてきた実家を出る日

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 一方その頃、妹たちは派手な喧嘩をしていた。 「あたしの恋人と逢引だなんてお前はなんて下品なの?」 「知らないわよ。お姉さまに魅力がなかっただけでしょ? 彼はあたしのほうが女として魅力があるって言うんだもの」 「この卑怯者! 彼を返しなさいよ!」 「簡単に他の女になびくお姉さまの彼に問題があるのではなくて?」 「お、お前なんか殺してやるうう!!」  使用人たちが慌ててふたりを引き離そうとするが、彼女たちは暴れ狂って次々と部屋の物を破壊していった。  一方が紅茶のポットを投げつけると、それは壁にぶち当たって飾られていた絵画が床に落ちた。  もう一方が対抗して棚にある花瓶を投げつけると、それが扉に当たって派手な音を立てて割れた。  騒ぎを聞きつけた両親が止めようとしたが、カップが顔にぶち当たった父は額と鼻からだらだらと流血し、となりにいた母は新調したばかりのドレスに紅茶がぶちまけられて悲鳴を上げていた。
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