14、ふたたびのスキル付与

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 静寂が漂い、誰も微動だにしない。  わけがわからず呆然としている者たちの中で、騎士たちがぼそぼそと言った。 「また微妙なスキルが……」 「今度は一体どうなるんだ?」  彼らはじっとライザスの様子をうかがっている。  だが、当の本人は怒ることもなく冷静だった。 「どうやら俺はあなたを嫌いになってはいない」 「そうでございますか」 「ああ。これからもよろしくな」 「はい。こちらこそ」  リリアは安堵し、満面の笑みで答えた。  ふたりは大聖堂を出ると、粛々と馬車に乗って屋敷へ戻る。  マリーもふたりについて出ていくが、ローズは扉のそばで足を止めた。  大聖堂には魔導士と神官が残って何やらひそひそ話しているのだ。  ローズはこっそり耳を傾けた。  魔導士は相当焦っているようだった。 「はぁ、一体なんなんだ。どうして侯爵さまだけこのようなことになるんだ?」 「まったくだ。他の者のときはこんなおかしなことにならないのに」 「また4ヵ月後にスキルの付与か」 「そうなるだろうな」 「やはりあの女の魔力が弱すぎるせいだろう」 「まったくだ。今まで見てきた【贄嫁】の中でも一番の無能だ」  魔導士と神官はげんなりした顔でため息をついた。  ローズは何も言わずにひっそりと彼らから離れた。
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