14、ふたたびのスキル付与

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「自信を持ってください、旦那さま。あなたはとても素敵なお方です」 「すてき……?」 「はい。私にとって本当に素敵な旦那さまです」  ライザスは真っ赤な顔で照れながら狼狽えた。  彼のそういう表情がリリアはたまらなく可愛くて愛おしく思う。 「あなたと出会えてよかった。リリア」 「私もですよ。旦那さま」 「ああ、そうだ。今度ゼネシス男爵が来訪することになった。魔鉱石について話してくれるからリリアも同席してくれるか?」  魔鉱石とは実家のマクベス家が自分の領地で採掘したと主張しているものだ。  ゼネシス男爵も同じ主張をしていて、マクベス家と揉めている。  男爵にとって敵対関係のある家のリリアが同席してもいいものか不安だった。 「私もご一緒してよろしいのですか?」 「ああ。客人を妻であるあなたとともに迎えたいんだ」  リリアはわずかに胸が熱くなり、嬉しくなった。  ライザスはリリアをマクベス家の人間ではなく、ゲルト侯爵夫人として認めている証拠だ。 「では、それまでにしっかり回復しておきますわ」 「そうしてくれ。今日はゆっくり休んで休養を取るんだ」 「はい。ありがとうございます」  ライザスは遠慮がちにリリアの頭を撫でる。  リリアはくすぐったい気持ちになり、頬を赤らめた。  するとライザスはさらに顔を近づけて、リリアの額にキスをした。  彼はすぐに離れたが、赤面している。 (本当に可愛い旦那さま)  リリアが心の中でそんなふうに思っていることをライザスは知らない。
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