15、魔鉱石の事件

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「お前たち、俺の家を裏切る気か! 目を覚ませ! リリアにあんな魔法が使えるわけがないだろう? それはお前たちが一番よく知っているだろ! 騙されるな。リリアは何か卑怯な手を使ったに違いない」  それを聞いたリリアは笑顔で答える。 「ええ、魔鉱石の力ですわ」 「ほらな! こいつは本来の力ではなく、魔鉱石の力で魔力を増大したんだぞ」  ダンが半笑いで言い放つが、魔導士たちは首を傾げた。 「おかしいですね。同じ魔鉱石を使用したのにダンさまは……」  それを聞いたダンは土気色の顔になり固まった。  魔鉱石で一時的に魔力増大したのに、使用後はまったく魔法が使えない状態になっている。  魔導士たちが訝しむと、リリアが説明した。 「お兄さまは水魔法が得意だからと言って魔法の基礎をまったく勉強されていなかったのですよね。残念ですわ。私は魔力が弱くとも、魔法の基礎はすべて習得しておりますもの。お兄さまが贅沢三昧しながら遊びほうけているあいだずっと、私はこつこつと勉強してまいりました」  ダンはぽかーんと口を開けたまま固まっている。  リリアはにっこりと笑った。 「散々私のことを無能と罵ってくださいましたね、お兄さま。さて、無能はどちらでしょうか?」
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