16、スキルの不具合でデレデレな夫

4/8
前へ
/192ページ
次へ
「まったく気に病んでいませんわ。むしろすっきりしています」 「そうか。なら、今度王都で開かれる王室主催のパーティに俺と一緒に参加してくれるだろうか?」 「ええ。それは妻としてのお役目ですから」  最初に条件として提示されたパーティに同席するというものをリリアは忘れたわけではない。  ほどほどに仲睦まじい夫婦のふりをして周囲を誤魔化す。  もしかしたらリリアが【贄嫁】だと知っている者もいるかもしれないが、それはそれで別にいい。  ただ、夫婦としての体裁だけ保てればいいのだから。 (けれど、心配する必要はないわね)  ライザスはリリアの肩を抱いて、髪を撫でながらにこにこしている。  やはりスキルの不具合(エラー)かもしれない。  どう見てもライザスはリリアを溺愛している。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1046人が本棚に入れています
本棚に追加