16、スキルの不具合でデレデレな夫

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「ここ最近、周囲が輝いて見えるんだ。まるでこの世から悪が滅び去ったかのように」 (それはスキルのせいですわ) 「そして、リリアをより愛おしく感じてしまう」 (それは不具合(エラー)のせいですわ) 「キスくらい許してもらえないか? 夜まで待てない」 (どうやら深刻な不具合(エラー)のようですわ)  リリアは近づいてくるライザスの肩を掴んで、羞恥に頬を赤らめながら答える。 「……わかりました。キスだけですよ?」  了承するとすぐに、ライザスはリリアをソファに押し倒した。 「ちょっと旦那さま! この流れでいたしてしまおうなんてお考えではありませんよね?」 「バレたか。しかしもう遅い。この燃え上がる感情を自分では制御できない」 「だったら昼間に私とふたりきりになるのはおやめください!」  リリアはライザスの肩をぽんぽん叩きながら制止しようとする。  そのとき、部屋の扉ががちゃりと開いた。
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