16、スキルの不具合でデレデレな夫

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「失礼しまーす。リリアさま……」  マリーはライザスに押し倒されたリリアの姿を見て3秒ほど無言になった。  そしてすぐにくるりと背中を向ける。 「お邪魔しましたー。どうぞごゆっくり」 「あっ、ちょっとマリー!」  ぱたんと扉が閉まり、ふたたび部屋の中でふたりきりになる。  しばらくの沈黙のあと、ライザスが眉をひそめて言った。 「昼間はなかなか難しいな」 「そうでしょう。ですから、離れてください」  ライザスはようやく離れてくれて、リリアは乱れた胸もとを綺麗に整えた。 「近くに別邸を買おうか。使用人を置かずにリリアと完全にふたりきりになるための」 「旦那さま、落ち着いてください」  たとえ誰にも邪魔されない邸宅があったとしても、ライザスが正気に戻ったら無駄になるというのに。
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