17、パーティの珍事

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「そ、そうですか……」  きっぱりと言い放ったライザスに、リリアは複雑な気持ちになる。  (自慢できるようなことなど何もないのに……)  リリアは胸中で呟く。  それでもライザスがそんなふうに言ってくれることは少なからず嬉しい。  たとえそれが今だけの感情であっても。 「明日のパーティで思いきり自慢できますよ」  リリアが笑顔でそう言うと、ライザスは明るい表情になった。 「ああ。この日のためにドレスを特注でオーダーしたのだからな」 「今夜は早めに寝ましょう。明日に備えなければなりませんから」 「その通りだ。では」  ライザスはリリアを軽々と抱き上げてベッドに降ろした。 「旦那さま……明日の朝は早いので」 「だから早く就寝できるように努力する」  ライザスはリリアの手を握って頬にキスをした。  リリアも悪い気がしないので、そのまま受け入れた。 (幸せだわ。本当に幸せ)  リリアはわずかに切ない気持ちを抱えながら何度もそう思った。  
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