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リリアはふたりの様子を注視しながら表向きは笑顔で接する。
「ねえ、あたしたちもすこ~しくらい、おすそ分けがあってもいいと思わない?」
「そうよねえ。あたしたち血の繋がった姉妹ですもの。可愛い妹たちに宝石のひとつくらい送ってくれてもいいでしょ?」
リリアは笑顔のまま硬直する。
つまり彼女たちはリリアにせびるつもりなのだ。
ここは断固拒否したいところだが、パーティの前なので事を荒立てたくない。
冷静に対応しておくことにした。
「そうね。あなたたちは家族だもの。旦那さまに伝えておくわ」
リリアが笑顔でそう言うと、ふたりはきゃっきゃっとはしゃぎながら近づいてきた。
「さすがお姉さまだわ。これからは頻繁に行き来したいものね」
「近いうちにお茶会を開いてね。あたしたち飛んでいくわ」
ひとりがリリアの腕をぎゅっと握ってくっついてきた。
これにはさすがにリリアもうんざりする。
どれほど媚を売ってきてももう遅い。
今までの仕打ちに対しての謝罪もない。ただ金目当てなだけだ。
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