18、うんざりな人たちにさようなら

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 リリアのドレスは一層華やかになっていた。  破れたはずの肩と腰の部分には生花で飾り付けがしてあり、ドレス全体が宝石を散りばめたようにきらめいている。  魔鉱石の力でまばゆい衣装に様変わりしていた。 「う、うそでしょ? そんははずないわ!」 「認めたくないけど、綺麗すぎる」 「うるさいわよ!」  マクベス姉妹は悔しそうにリリアを凝視する。  リリアの両親は驚愕のあまり目を見開いていた。 「あれがリリアだと?」 「あ、あなた……これを利用しない手はないわ」  眉をひそめるマクベス伯爵に向かって、夫人がにやりと笑った。  *  多くの人に好感を持って接してもらえたことで、リリアに少し自信がついた。  正直、いろいろ言われることを覚悟していたが、意外にも声をかけてきた人たちは優しかった。  ライザスが堂々とみんなの前で宣言したことも影響している。 「これは勘違いでも見栄でもなく、私は妻を心から愛している」  ここまで堂々としているといっそ清々しい。  周囲は恥ずかしそうにする者もいれば、からかう者もいた。  いろいろな反応はあったが、少なからずライザスの今までのイメージを変えたことは間違いない。
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