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「お食事は緊張されたでしょう?」
自室に戻るとさっそくマリーがそのことについて話題にした。
「ええ。でも、とても美味しかったから気分はいいわ」
「旦那さまが毎回ご指摘されるので料理長はどんどん腕が上がっていくのです」
「毎回? 気が滅入ったりしないのかしら?」
「彼は注意されると伸びるタイプのようです」
「根性があるのね」
ライザスの細かい指摘に耐えられずに辞めていく者もいるようだ。
しかし給金がいいので大半は残っているとマリーは話す。
「あとはまあ、旦那さまがほとんどお屋敷にいらっしゃらないのでやっていけるというものあります」
「まあ、そうなの?」
「はい。旦那さまは要請があればすぐに遠征に行かれます。戦場がお好きな方ですからね」
「その噂は聞いたことがあるわ。でも、あんなに華奢な方なのに大丈夫なのかしら」
すらりというよりはほっそりとした体格だ。
あれで剣を振り回しているとはリリアには想像もつかない。
するとマリーがこっそり耳打ちした。
「あれでも筋肉はすごいらしいですよ。そのうち拝見できる日もあるかと思いますが」
「な、ないわよ。だって私たち寝室が別だし」
リリアは急に恥ずかしくなり頬を赤らめる。
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