スキル【溺愛】を獲得した冷酷無慈悲な侯爵は契約結婚の贄嫁を愛でたい

１、私たち白い結婚ではないのですか？

「そのことはあの……本当に、申し訳ないと思うのですが」
「だったらあなたは責任を取るべきだ」
「責任！？」

　ライザスはとんっとリリアの肩を押した。
　するとリリアは背後のベッドにころんっと仰向けに転がってしまった。
　ライザスはクールな瞳でリリアを冷たく見下ろす。

「ああ、そうだ。俺をこんなふうにしてしまった責任を取って、あなたは黙って俺に抱かれるべきだ」
「ええっ！？　私たち白い結婚ですよね？」

　やはりというべきか、ライザスはリリアを女として意識するようになってしまった。
　婚姻儀式のときのスキル付与のときから、ライザスは変わってしまったのだ。

　そのスキルとは【溺愛】である。