4、婚姻の儀式とスキルの付与

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 やがて光が一点に集まり、魔導士が手に持つ特殊な紙に文字が印字された。  スキルの付与が完了したということだ。  魔導士は安堵したようにふたりに告げる。 「これにてスキル付与は完了いたし……」  彼は手もとの紙に目を落とした瞬間、言葉に詰まった。  不審に思った神官が覗き込むが、そこに書かれてあるのは魔術文字なので読めない。 「どうされましたか?」 「い、いやあ……」  魔導士は急に焦り出した。 「一体何が書いてあるんですか? スキル付与は成功したのですか?」  神官は眉をひそめながら訊ねるも、魔導士は乾いた笑いを洩らすだけだ。その額には汗が滲み出ている。  様子がおかしいとなり、儀式を見守っていた者たちはざわついた。  魔導士がなかなかスキルを口にしないので、痺れを切らしたライザスはその紙を取り上げた。  そして彼は怪訝な表情で魔導士を問いただす。 「何が書いてある? 読み上げろ」 「え、ええっと……」 「もういい。あなたが読んでくれ。魔導士なら読めるだろう?」  リリアはいきなりライザスに紙を渡されて目にした文字に、驚愕のあまり固まった。 (え? どうして……?)
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