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ライザスは本棚の陰に隠れながらそっとリリアの様子をうかがった。
リリアは淡い水色のドレスを着ており、それが美しい金髪によく似合っている。
ふわっとした笑顔を振りまくリリアの姿を見て、ライザスは猛烈に顔が熱くなった。
急激に鼓動が高鳴り、手のひらにじわりと汗をかく。
(お、落ち着け……なぜ俺が、あの娘を見て動揺しなければならない?)
一度目線を床に向けて深呼吸をしたあと、ふたたびリリアに目を向ける。
変わらずまばゆいほど美しく見えるので、ライザスは思わず声を洩らしそうになり、とっさに手で自分の口を覆った。
(か、可愛い! めちゃくちゃ可愛い! なんだあの可愛さは!)
ライザスは真っ赤な顔でリリアをじーっと見つめる。
侍女と笑顔で語り合う姿、自分の髪をかき上げる仕草、微笑んだときの唇の動き、それらすべてが愛おしくてたまらないのである。
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