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そして晩餐の時間である。
ライザスは夜になるのを待ちわびていた。
一応夫婦となったので形だけ、晩餐はリリアとともにすると決めていた。
正直面倒だったが遠征に行くまでの短いあいだだ。体裁を保つためだけの行動だった。
それがどうしたことか、今となってはこの時間が楽しみで仕方ない。
ライザスは最近リリアより早くダイニングルームへ来るようにしていた。
それを知ったリリアはさらに早めに来るように努力したようだが、ライザスはそれよりもさらに早く来ていたのでリリアは少々困惑していた。
そんなやりとりのせいで、この日は普段の食事の時間より１時間以上早くライザスはダイニングルームへ来ていた。
当然、料理長も使用人たちも慌てたが、ライザスは食事は通常通りでよいと言った。
自分より少し遅れて現れたリリアは驚いた様子で謝った。
「申し訳ございません。今日も遅くなってしまいました」
「いや。俺が早く来ただけだ。気にすることはない」
当たり前だが周囲は「こっちを気にしてくれよ」と言わんばかりの顔でふたりを見つめていた。
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