6、夫に初夜を求められています

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 うとうとしながら、だんだんと夢の中へ意識が傾きかけたときだ。  コンッと一度だけ扉を叩く音がした。  リリアは目を開けて部屋の扉のほうへ目をやる。 「マリー?」  もしかしたらマリーが何か言い忘れたことがあって戻ってきたのかもしれない。  しかし、一向に返事はない。  リリアは眉をひそめ、ベッドから出る。  窓から差し込む月明かりを頼りに、リリアは扉へ向かった。  そして扉をそっと開けると、そこにいた人物を見て驚愕のあまり声を上げた。 「だ、旦那さま!? どうして……」 「寝ていたのか?」 「は、はい……」 「そうか。起こしてすまない」 「いいえ、あの……どうぞ」  こんなところで立ち話も失礼なので、リリアは彼を部屋へ招き入れた。  ライザスはまったく躊躇することなく足を踏み入れる。  リリアは急に緊張して鼓動が高鳴った。 (どうしたのかしら? もしかして怒りが収まらないから直接文句を言いに来たの?)
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