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ライザスがじりじりと近づいて、リリアはゆっくりと後退する。
なんとか正気に戻っていただきたい。
「そのことはあの……本当に、申し訳ないと思うのですが」
「だったらあなたは責任を取るべきだ」
「責任!?」
ライザスはとんっとリリアの肩を押した。
するとリリアは背後のベッドにころんっと仰向けに転がってしまった。
「ああ、そうだ。俺をこんなふうにしてしまった責任を取って、あなたは黙って俺に抱かれるべきだ」
「ええっ!? 私たち白い結婚ですよね?」
ライザスはリリアに覆いかぶさるようにしてじっと見下ろす。
そして目線はそのままで、手先だけはリリアの寝間着の胸もとを探り、指先でするりとリボンをほどく。
リリアはどきりとして、慌てて声を上げた。
「ちょっと……旦那さま、落ち着いてくださ……」
「俺は落ち着いている。あなたが落ち着いてくれ」
「落ち着けません!」
リリアは必死に抵抗する。
「旦那さま、それはあなたの本心ではないのです。すべてあの変なスキルのせいですから」
「リリア!」
ライザスは必死に説得しようとするリリアの腕を掴んで思いきり顔を近づけた。
「俺はもうこの衝動を抑えることができない」
ライザスはリリアの首筋にキスをした。
(どうしよう。どうしよう。このままでは、夫婦生活が始まってしまう!)
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