6、夫に初夜を求められています

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 リリアはちらりと横に目をやった。  ライザスは目を閉じていたが、リリアの視線に気づいたのか、ぱっちり目を開けて視線を向けた。  そして彼は静かに口を開く。 「手を……」 「え?」 「つないでも、いいだろうか?」 「あ、はい。大丈夫です」  答えるなりライザスはリリアの手に触れ、さらに指先を絡めてきた。  リリアは鼓動が急激に高鳴り、ふたたびがっちがちに固まった。 (ここまでするとは言っていないのだけど……)  軽くつなぐ程度だと思ったのに相手はぴったりがっつり恋人つなぎと呼ばれるやり方をしてくるのだから、もうリリアの心臓がもたない。 「リリア」 「はい」 「君の手は華奢だな。まるで小さな動物のようだ」 「旦那さまはがっちりしていらっしゃるのですね」 「そうだろう。うっかりすると力加減を間違えて君の手を折ってしまいそうだ」 「ま、間違えないでください」 「冗談だ」  ライザスはゆっくりとリリアに顔を向けて、穏やかな笑みを浮かべた。 (わ、笑った……)
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