6、夫に初夜を求められています

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 今まで冷淡な顔しか向けてくれなかった夫の初めての笑顔とか、最高に萌える。  暗がりの中、月明かりがちょうど彼の顔を照らし、鈍色の髪は白銀に輝いて見えた。  リリアはその綺麗な顔にうっとり見惚れてしまう。 (だ、だめよ。これはあのスキルのせいだから。彼の本物の感情ではないのだから。本気になっちゃだめ)  心の中で何度も自分に言い聞かせる。  けれど脈打つ鼓動はどんどん激しくなり、体はじわじわと火照っていった。 (近くで見ると本当に綺麗だわ)  まるで縛りつけられたように、彼の顔から目がそらせなくなる。  するとライザスも、同じことを口にした。 「リリア、君は可愛くて綺麗だ」 「え?」 「キスをしてもいい?」 「ええっ!?」 「嫌なのか」 「そ、それは……」  突然の申し出に困惑する。  なぜならこれは一時的な感情によるものだとわかっているから。  それでも、少しくらいならいいかなと思えるほど、リリアはもうその気になっていた。 「え、えっと、ほっぺにちゅーくらいでしたら!」
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