7、激甘からの塩対応

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 それからもライザスと出くわすことが多かった。  庭園で散歩しているとき、書庫にいるとき、ただ邸宅内を歩いているとき。  そのたびにライザスは以前よりも冷たい態度をとった。  それでもリリアは負けなかった。  どんなに無視をされようとライザスに笑顔で接した。  期待などしてはいけないとわかっているのに、リリアは彼が遠征に行くまではきちんと笑顔で接しようと努めた。  しかしライザスから話しかけられることはなかったし、食事の時間も無言で、彼はいつも通りリリアを睨んでダイニングルームを出ていくのだった。 (あれが彼の精一杯なのよ。必死に理性を保っているの。遠征前に邪魔をしてはいけないわ)  リリアは何度も自分に言い聞かせたが、虚しさが込み上げてたまらなかった。  まるで失恋でもしたような気分だ。  けれど、離れていればこの感情も薄れるに違いない。  少し寂しいけれど仕方のないことだ。  本来あのような甘い夜はあり得ないことなのだから。 「リリアさま、大丈夫ですか?」 「ええ、大丈夫よ」  マリーに訊かれたリリアは笑顔で答えたが。 (うそ。旦那さまの塩対応が地味につらい)
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