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ちらりと目線だけ上げるとそこにはリリアのまばゆいほど美しい顔があった(ライザス補正)
ライザスは3秒ほど固まったあと、ゆっくりと立ち上がり、凜とした姿勢でリリアを見つめた。
「なんでもない。花を見ていただけだ」
「まあ、旦那さまは花を愛でる趣味がありますのね。素敵なことですわ」
ふわっと微笑むリリアの顔を見て、ライザスは思わず手が動いた。
リリアの髪を撫でたい。
頬や唇に触りたい。
欲望がどんどん膨れ上がる。
衝動が抑えきれない。
思いきり抱きしめたい。
キスしたい。
(ああ、思う存分妻を愛でたい!!!)
「旦那さま?」
リリアがきょとんとした顔で声をかけた。
するとライザスはハッと我に返り、頭の中で自分を殴りつけた。
そして平静を取り戻すと、真顔でリリアに告げる。
「余計なおしゃべりは無用だ」
※これ以上あなたと話していると理性が崩壊する
「会話なら食事のときでいいだろう」
※今晩もあなたとの食事を楽しみにしている
「これ以上、俺にかまうな」
※あとでまた会おう
ライザスは真面目な顔で今できる精一杯の言葉をリリアに送ったつもりだった。
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