8、スキル【溺愛】が絶好調な夫の苦悩

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 その言葉を聞いたライザスは気が抜けたように安堵した。  この膨れ上がった想いをすべて受けとめてくれるというのだ。  ライザスはリリアに近づいて、じっと彼女を見つめながら強い想いを口にした。 「好きだ。どうしようもなくあなたのことが好きだ」 「はい」 「夜も眠れないほど好きだ」 「はい」 「四六時中あなたのことばかり考えて何も手につかない」 「はい」 「俺の望みをすべて叶えてくれないか?」 「はい。それが私の役目でございますから」  ライザスはリリアを抱きしめる。  するとリリアも彼の背中に腕をまわしてぎゅっと抱きついた。  ふたりの様子をこっそり見ていたマリーは「やれやれ」と肩をすくめてその場を立ち去った。
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