10、激重な夫からのラブレター

5/7
前へ
/192ページ
次へ
「思ったんですけど、たぶん旦那さまはもうこのままでいいと思っていらっしゃる気がしますよ」 「そうかしら?」 「だってものすごく人生が楽しそうですもの」  マリーは大量に積み上がる手紙の山を見て言った。  リリアはふふっと笑う。 「本当に、私も楽しいわ」 「だったらスキルはそのままでよろしいのでは?」 「うーん、あのね。この能力は永久に持続するものではないのよ。私のように魔力の弱い者から付与された場合は特にね」 「定期的にスキルの更新が必要ということですね?」 「そう。そして、次はどんなスキルが付与されるか誰にもわからないの」  今回のライザスのようなスキルはあまりに特殊である。  他の者はだいたい知力向上や体力強化など実用的なものが身につくのだ。 【溺愛】という何の役に立つかわからない意味不明なものを付与されたライザスが気の毒すぎると魔導士たちは言った。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1028人が本棚に入れています
本棚に追加