宇宙人ホームステイ

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朝いつものアラームで起きた。 「やっぱり何を食べてもおいしい。地球に来て良かったなあ七生い」 「そうねえ正太郎さん、あちらでは栄養なんて錠剤ひとつでしたもんねえ」 「俺マジでアレ嫌いだからさあ、なんか食事が楽しみになるなんて初めてだわ」 「ナオミもきらーい。遼太郎にいちゃん、ナオミにもそれ一個ちょうだい」 「やだ」 そう言って彼ら、僕の父役母役弟役との全員がそれぞれ食卓に並んだトマトのヘタ、バナナの皮、ジャガイモの芽を美味しそうに平らげている。 「あのさ」 「起きてたのか人の子よ」 「由紀夫おせえぞ」 「由紀夫にいちゃんおはよー」 「由紀ちゃんのぶんもたくさんあるわよ」 そう言って彼らは人間でいう顔の部分のピンク色の触角を左右に動かした。母の七生役の宇宙人はボウルいっぱいのトマトのヘタを抱えているからか触角でヘタを指差している。 「食べてるの、逆なんだけど」 沈黙が訪れた。外ではすずめの鳴き声がした。
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