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「ナオミ遼太郎にいちゃんと最後にお星さまみたいんだぁ」
「お金はないけど」
「それより人の子、学校を無理して休めとは言わん。今日はいいとこのご飯食べに行くだけでもいい」
「休みたいよ」
「家族のためならさあ」
全員がはっとした顔でこちらを見た。見たと言っても、イソギンチャクみたいな見た目だから目なんてあるかは知らない。
そりゃ僕だってあんなあんまし取り立てていいようなこともない学校に行ってよくわからない数学や物理なんかの授業を受けたくない休みたいとは思っている。それ以上になんだか、今日は休みたい理由ができた気がしたのだ。
「遼太郎は僕が最初の方おびえまくってた時に不安を少なくしてくれたし、ナオミは僕のお金たくさん浪費させまくるけど正直何よりも可愛い。クラスの1番可愛い梅村さんよりもずっとずっとね」
「ナオミ嬉しい」
「正直付き合いたい」
「バカか手出すなよ」
触覚で殴られた。彼らの触覚の生え際から、うっすらと緑色の見たこともないような液体が滲み出てきた。
「父さん母さんも」
「人の子の人の親代わりとして宇宙人の親となれたか」
「最初は怖かったけどね」
それから部屋に向かって、自分の学校用のiPadをとりに行って、『家庭の事情のため休みます』と連絡を入れた。
「プラネタリウム、いつから?」
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