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拾い上げた。あの時の電話番号だった。
うち震えて、絶対に間違えないように丁寧に、丁寧に一緒に過ごした時間をなぞっていくように持っていたスマホへ入力した。090から一丁前に始まるのは遼太郎の地球趣味の現れだったのかもしれない。
「、、、1234」
下四桁は手抜きのようで、そこを入力して僕は天を仰いだ。
照明ではない。ずっとずっと僕にとって遠くの、僕の宇宙だ。
着信を押す前に、若干の雑な精査を行なって、深呼吸をしてからボタンを押した。第一声を考えていた。
「もしもし」
僕の声ではなかった。
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