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「それで俺たちんフォ絵ウィジェふぉ人、由紀夫の言うところには宇宙人は由紀夫のまだ理解できない技術ではるか遠くから地球を発見してるわけで」
「なんてぇ?それがホームステイにどう繋がる、ホームステイが何なのかしっかり理解してるのか」
ホームステイとは絶対にこういうものなのではない。絶対に何かと勘違いしているし、たぶんホームステイと地球征服という単語を間違えていたとその時思っていた。
「俺たちは、いつかここを征服して暮らしていくわけだけど、あんま文化って破壊するものじゃないじゃん?」
「お、おう」
そう返したけれど、どうも後ろの宇宙人が殺すとつぶやいていたので気が気でなかったのだ。
「いつか俺たちがここを征服する前に、一旦ここで言うホームステイ形式で『一ヶ月』文化を学んで、それであっちでどうするか考えておくんだ」
「家族って概念も俺ら知らないんだよ、知ってそんなのあるんだって感動したから、あのブツブツ言ってるちっちゃいのはずっとおにいちゃんおにいちゃんって俺に向かって練習してるんだから」
「だからさあ、由紀夫を長男役にして、俺が由紀夫の弟で、妹と、母と、父役というていで家族って概念もホームステイで学ばせてくれないかな」
いいことを言ったように遼太郎は言い切った。たぶん遼太郎は、こっちじゃ家族は大体いいものだということも理解しきっている。だからなんでそんなに理解できているんだともっと怖くなってしまった。無知も怖いけど、知ってたら知ってたでもっと怖いのだ。
「絶対ホームステイって違う、僕の父さんと母さんは」
「知らない」
「嘘つくな」
殴りかかろうとしてナオミに取り押さえられた。その後に部屋にこもって実のお父さんお母さんに「助けて宇宙人に家族乗っ取られる」なんて今考えたら支離滅裂なラインを送った。
『前シンガポールで仕事って言ったろ零翔』
『帰ってこないからって気を引こうとしないで忙しいの』
とくるばかりだった。
無事そうなのにひとまず安心したけれど、ちょうど僕はもう高校生だからなんとかなるでしょ精神で父さんも母さんも「一ヶ月」家を空けることになっていたことを思い出した。
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