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「おい由紀夫、俺はアレたちとは違ってしゃべれてるだろ、いい加減出てきてくれよ」
戸を叩く遼太郎。包丁を食べられる遼太郎なのだから、僕がこもる用のバリケードだって破れるはずなのに。
「お前さ、本当はホームステイ計画とか言って僕のこと食って、その後に煮付けにしたりだとかホルマリン漬けにしたりなんかするつもりだろ」
「んなまさか」
「いやそうに違いない!だって宇宙人って大体そういうことするなんてのはお決まりじゃないか」
「じゃあ俺めちゃくちゃ地球人のドラマとか見てるけどさ、地球人全員人殺すか?違うだろ?」
まんまと見事に論破されてしまい、返す言葉が見つからなかった僕の部屋のドアの隙間から、謎の小さな紙が入ってきた。
「これ」
「なんだこれ、紙型の爆弾だったりしたら承知しないからな」
「電話番号」
「はあ?」
四つ折りにされた小さな手書きの紙をおそるおそる開いてみたら、何も起こらなかった。中身を見てみると、下手くそな手書き文字で、大量の数字が書いてあるものだった。
0901503750937、、、頭がおかしくなりそうな羅列だった。
「何これ、円周率?」
「だから電話番号」
「こんなクソ長い電話番号あるわけないだろ」
「間違えてさ、地球人が押しちゃうかもしれないだろ」
「なんだだから」
「地球壊滅コールセンター」
「物騒!」
正気を疑って壊滅の意味を聞いてみたけれど、どうやら勉強の類義語だと思っているらしくて驚いた。
「地球勉強コールセンターに改名しとくからさ、とにかく何かあったら相談するんだぞ、つってもお前以外誰も相談しないと思うけど。
俺が担当しとくから、そこんとこよろしく」
「はぁ、、、」
なんだか怖かったので、その時はそこら辺に放っておいた。
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