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六日目になった。
「由紀夫、みんな大体言葉風習覚えたから出てこいよ」
缶詰が底を切る頃だった。死ぬほど怖かったけれど初日からずっと説得され続けていたので出てくることにした。
「おお久しぶりだな由紀夫ぉ」
他もドアに駆け寄ってきた。大体覚えることは覚えてしまっただろうに、それにしても見た目は変わらず何も着ないで全身はピンク色の謎の触角が生えたイソギンチャクみたいだったのは変わらなかった。
「殺さない?」
「殺さないさ。少なくとも一ヶ月はね」
信用ならないと部屋にこもろうと思ったのに、宇宙人の馬鹿力で部屋に入らせてもらえない。
「いや違うよ!このうちに殺す征服するとかの準備してたんじゃなくてほんとのほんとに勉強してたんだよ」
「そうだぞ人の子よ」
「それで開けるバカがどこにいるっ」
死ぬ。これから一ヶ月?一週間ですら缶詰やら部屋にこもっているのも難しかったのに?とガチで殺されると思った。
「な、名前!俺たちに名前って概念ないんだから!家族生活って名前必要だからさ、由紀夫につけてもらおうかなあって」
「名前つけたら殺さない?」
「由紀夫はこのホームステイ計画に不可欠なんだよ」
ホームステイ計画という音の中に、地球征服計画という漢字が思いついた。
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