今日も彼はパチンコ屋で働く

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ツナギは7枚のメダルをレシートとして発券し、サインをしてマチバリに手渡した。 そして、ずっと持っていられないくらい冷やされた微糖の缶コーヒーを作業服姿の客に差し出す。 「大変お待たせ致しました」 「おう!悪いね!また当たっちゃったよ」 先ほどの強スイカから再びのAT。ゲーム数管理の当たり状態を射止めた客は上機嫌で缶コーヒーを受け取った。 セレクターエラー、ホッパーエンプティエラー。メダル計数。そして助けられながらのドリンクデリバリー。 それらが終わったら、残った仕事は後1つ。 「ぶっ殺してやるかな!全員!!ふざけんじゃねぇっ!!」 刃物を持って再来店した危険人物から遊戯客を守ることである。 何故なら、今ツナギが対応したようなトラブルやサービスというのは、いっぱしのパチンコ店員ならば、当たり前にこなさなければならないものだ。 それに引き換え、刃物男の制圧という仕事は、人生の全ての時間をパチンコ屋での労働に費やしても取り掛かれるものではない。 しかも、その男が狙った最初のターゲットがスロットコーナーの端台に腰を下ろしてしまった若い女性であった。
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