今日も彼はパチンコ屋で働く

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よりによってそんなタイミングに着席。しかもその方は、店長思いつきの、背中ビカビカ光る看板を背負い、駅前ティッシュ配り作戦で唯一食いついた女性であった。 まるで何かのイベントか撮影か。白地に赤のラインが入った巫女衣装を上から下まで羽織るように崩して着衣している。 やや細身ながらのかなりのグラマー体型。茶色がかった煌びやかなストレートヘアがよく似合う色白美人であった。 死角からの襲撃。普通ならば交わすのは非常に困難な状況になってしまっていた。 「うおおぉっ!!」 その女性の危機を目の前にして、ここで体を張らずして、いつ男を示すのか。 両腕を広げ、声を張り上げながらツナギは刃物男の前に立ちはだかった。 ハリウッド映画のような洒落の効いたセリフの1つでも吐ければよかったのかもしれない。 一瞬でも刃物男の気を反らすことが出来れば何かが変わったのかもしれない。 このパチンコ屋でトータルは500万円の負け。今年に入って3ヶ月で40万の負け。 今日はまだ2万の負け。 そんな男が手にしたナイフは、ツナギの体の奥へと簡単に突き刺さってしまった。 倒れる体、滲み、滴る血。阿鼻叫喚。初めて人を刺し、その自らの行動に寄って現れた光景を目の当たりにして固まる刃物男。
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