今日も彼はパチンコ屋で働く

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そうなってからようやく、白シャツに黒のスラックス。社員2人がもはや戦闘力がないに等しい刃物男に飛びかかった。 1人が羽交い締めのようにし、もう1人がナイフを持つ男の手を押さえつける。3人はそれぞれの重みやぶつかり合うエネルギー負担により、床にもんどり打つように倒れた。 その衝撃でワックスを塗り立ての白い床を刃身を赤黒く染めたナイフが這うように滑り転がる。 刃先から垂れた血が天井から降り注ぐライトに照らされる。 「ツナギさん、しっかりしてください!ツナギさん!?」 ここが夕方という時間帯の活気あるパチンコ屋だということを忘れさせるマチバリの声。 そんな彼女の声は届くこと叶わずに、ツナギはそのままいきたえた。 その2人を1番近い場所で見下ろすようにしながら、巫女衣装姿の女性は唇を噛んだ。 (これは非常にマズイことになってしまったのぅ。もはやあれを使うしかあるまい。こやつはわしにパチンコを享受した特別な人間じゃ) 彼女は自らの身に起きた危険から発せられた、常人には見えない体を纏う青白い気を静かに押さえ込んだ。 そして自らを守ろうとして絶命したパチンコ屋の男性店員に、神として100年に1度しか使えない、契りのまじないを施したのだった。
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