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みんなが遊びにやってきました
その日。
月花たちの新居にお世話になった皆様をお招きすることになっていた。
唐人たちが料理を作ってくれると言うので、早めに来てくれていたのだが――。
「あっ、なに、この素敵な鍋ーっ」
とあの宇宙的な鍋二つを見て、唐人が言い、
「料理しないのに生意気だよな」
と決めつけて西浦が言う。
……まあ、確かに忙しいので、結局まだ、袋めんくらいしか作ってませんけどね、と月花は思う。
しかし、さすが飲食店の経営者ばかり。
広く素敵なキッチンを見て、楽しげにはしゃいでいた。
船木が、宇宙的な鍋の蓋を開けて覗き込みながら言う。
「月花。
俺が会の終わりに、酔っ払いたちの胃を休めるスープを作ってやろう」
使いたいらしい。
いや、その鍋で全員分は作れない気がしますが……と苦笑いしながらも、月花は礼を言った。
「助かります。
ありがとうございますっ」
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