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「ハナばあちゃんっ! どうしたの?!」
あたしが、ステファンを連れて、村の中を案内しようと家を出たら、隣のうちのハナばあちゃんが、道に倒れていた!
あたしは、慌てて、ハナばあちゃんに駆け寄った。
ハナばあちゃんは、今年90歳で、心臓に持病がある。
それでも、なんとか意識はあった。
「ハナばあちゃん、大丈夫?!」
「ああ……、ミチコちゃんかえ……なんだあ、胸がえらいだが……」
ハナばあちゃんは、途切れ途切れに答えた。
「えらい」とは、この山陰地方の方言で、「くるしい」という意味である。
大変だ!
あたしは、お父さんに、ハナばあちゃんを車で、診療所まで運んでもらおうと思った。
救急車を呼ぶより、このド田舎では、自家用車の方が、診療所まで早く着くのだ。
しかし!
お父さんは、軽トラで、もう畑に出てしまっていた。
ど、どうしよう……!
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