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プロローグ
マサオは今、財産、仕事、交友関係の全てを投げ出し東京に戻っていた。
自分が知っている社会とは逸脱した世界に身を投じたことで、幸か不幸か再び『生きる実感』に近いものを得つつあった。
生活の豊かさは格段にトーンダウンしたが、そこまで苦痛に感じていなかった。
段ボールに布団一式、最低限の衣服、そして子供の小遣い程度の所持金。
つい最近までの金銭感覚でいけば1週間持たずで無くなっていたお金も、小まめに使う事で節約になっている。
併せて、日頃から少なからずも支援頂く事で今を生きているのだ。
数十年の人生を生き抜いてきた彼は、良くも悪くも今は運だけで『生かされている』という事に気づくのであったのだ・・・
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