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『ここで自由に取っていった服が高値で売れる事もある。中にはネット転売してる人間もいるらしい。』
その情報を元に少し手持ちが増えるのならと思い、多数が集まる場所に向かう。
アスファルトの上に並々と置かれた洋服に対し、数十名が群がるように広がる事で壁を作っている。
いい言い方をすれば、まるでバーゲンセールの様だ。
特価品が大量に詰められた一箇所のゴンドラに何人もの人が集まり、目当ての物を大量に取っていく。
その中に、前週出会った中野さんの姿があった。
親切に色々話しかけてはくれるが、どこかデリカシーのない行動が目立つ彼は最前列で両手に抱えきれないほどの洋服を手にし、嬉々としてカバンに詰めていた。
生きるためとはいえ、その姿が妙に寂しく見えてしまった。
人混みの中、余り物を何品か手に入れたマサオであった。
"中野さん達じゃないけど、ある程度溜まったから売りに行くかな。"
今から何軒か行ってみるかと思いつく。
しかし大抵の古着屋は店じまいが早いイメージが強い上、一番近い所ではブランド品のみ。
また古着屋に見えて新品しか取り扱いのない店が多かった。。
すぐに行動したかったが断念し、翌日に向かう事にした。
翌日に向けて荷物を整理していると、また扉が勝手に開く。
マサオには、その犯人が大体想像ついていた。
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