四話

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「さ、一年生の子達も揃ったから始めようか、特訓」 隊長は俺達を見回して言う。 「じゃあ鬼気くんに小鳥遊がついて。三日月は朝一くんね。そして双子には雷電と五十嵐、任せたよ。」 二人で俺等に何か指導してくれるのか....。まぁ多分ここでは異端者みたいなもんだからな。むしろそちら側としてはこの方が安全....? 「双子、魔法を使うのか剣を使うのか魔物を使うのか...全く分からないからね。ちゃんとその人にあった指導をするんだよ。主に雷電。」 隊長は名指しで雷電先輩に釘を指す。 「えぇ?俺だって指示くらいできるもん」 「.....よし宇多川、雷電と五十嵐頼んだよ」 「任せてくださぁい!」 宇多川先輩がこちらに飛び込んでくる。 「俺もっすか....」 「だって五十嵐、まだ二年生だし。そして不器用だし」 「うぐっ....」 「まぁ雷電よりかはマシだけどね〜?」 隊長は更に雷電先輩に釘を刺した。 「さ、隊長さんは皆さんの面倒を見なければならないので各自頑張ってね」 そう言って隊長はカルテを出した。 「さ、俺達も始めちゃうか〜!」 雷電先輩はグーンと体全体を伸ばす。 「とりあえず.....はいこれ」 俺達が渡されたのはニセモノの剣だった。 「二人で戦ってみてー?」 雷電先輩がそう言うので俺とレイナは顔を見合わせた。 (戦ってみてって言われても......どうすりゃいいんだ?) 俺は渡された剣を見る。 (まぁ....どうにかなるっしょ!) 俺はレイナに剣を向ける。するとレイナも俺に剣を向ける。 (さて....レイナは元剣道部で俺は元空手部。何かあったら背負い投げだな!) 俺がそんな事を考えているとレイナが剣を振り翳してきた。 「っぶな....」 俺はギリギリで避ける。 「俺も鈍ったな。」 そしてレイナは一人反省会を開いている。何だコイツ。 「部活行ってないからじゃないの〜?」 「....うるさい。大体俺がサボってる理由知ってるだろうが」 そう言ってまたレイナは剣を振り翳す。 「まぁ俺もサボってたしネ」 「お互い様じゃねぇか....」 「まぁな。.....てか、俺だけ不利だろこれ!」 「あ?今更何言ってんだ?」 レイナがキョトンとした顔で止まる 「お前元剣道部なのに何素人とやり合おうとしてんだ!?」 「.......」 (あ、黙り使いやがった.....!) 「じゃあ俺は空手で生かしてもらうぞ....」 俺はレイナに剣を投げて体制に入る。 .....てか俺もサボってたから何か力落ちてそうで怖いな。 「剣は投げるものではない。振るうものだ。」 「新しい使い道出来たじゃん?」 俺はテンポよくレイナに近づいて行く。 (さて、ここ交わし切れるかなッ....) 俺がレイナのみぞおち部分を殴ろうとしたら容赦なく剣を振り翳してくる。 ただそんなのは分かり切っているので俺はレイナの足を蹴る 「キッモ....!」 「はは、よく言われる。」 そこでよろけたレイナの顔を殴ろうとしたときだった。 「ストップ!怪我はさせたくないなぁ」 宇多川先輩が俺達の間に入ってきた。 「零名くんは剣士が向いてるね。そして椎名くんも素質があるみたいだヨ」 隊長が俺が投げた剣を拾ってこちらへくる。 「そして......椎名くんは隠し技で空手、入れてていいかもね」 「.....文武両道!?」 「お前意味知ってから使えよ」 (剣と空手か.....) 俺は考える。 (あれだな。おうぎ!とか言いながら空手披露してみたい) 「じゃあどっちもやります」 「うん。決まりね。零名くんは?剣使ってく?」 隊長はレイナに確認する 「はい。何か分からないので剣つかいます」 「うん。じゃあ決まりね。」 隊長はカルテに何かを記入してまた元の位置へ戻って行った。 「じゃあ?俺は双子ちゃん達のどちらを指示したらいい?」 「あー.....俺が零名の方行きます」 五十嵐先輩が零名の方へ行く。 「んじゃ、俺しーなくんとこ行くね!」 そして雷電さんがこちらへ来た。 「しーなくんよろろ!」 「あ、よろしくお願いします」 (はたして大丈夫なんだろうか......特にレイナ!!) 俺はレイナの方を見る 「零名、お前剣道部なんだって?」 「元、剣道部です。」 「そうか.....じゃあオノを使ってみないか?」 「......じゃあ大剣を」 うんダメそうだ!! 「あぁ〜うたぁわ、いがーらの方に行って」 雷電先輩は宇多川先輩に五十嵐先輩の元へ行くよう指示する。 (全ては宇多川先輩にかかってる....!) 「....しーなくん!今日から君を特別に俺の弟子にしたげる!!」 「.....え」 「喜ぶんだよ弟子太郎!!」 「なんなんすかその変なあだ名.....」 「変じゃないよ太郎!」 「いよいよ名前変わってるじゃないすか!?」 何だこの人.....次郎にしてやろうか.... 「.......!太郎、お前人間だったのか!?」 「じゃあ今まで俺を何だと思ってたんすか!?」 (この人.....レイナよりかも面倒くさいっ!) 「なぁ!太郎、俺が最強にしてやるから全部教えた事覚えてな!」 「全部っすか!?」 「うん!だって教えた意味ないじゃん!」 「それはそうですけど....!!」 すると、雷電先輩が高くジャンプして剣を俺に振り翳してくる。 そして急すぎて何もする事がない俺。...死ぬ。 「んはっはっは!避けられたら合格!」 雷電先輩がそう言ったとたん俺は横に避けた。 「まぁだまぁだ!」 次は地面についた途端すぐにこちらに向かってきた。 (確実に面白がってるだろこの人....!!) 俺はしゃがんでよける。 (次、何くる....!?) 「右かな?左かな?それとも上?残念!正解は下からでしたぁ〜!」 地面の下から雷電先輩がにゅっと顔を出す。 その瞬間俺は反射的に雷電先輩の顔を踏みつけてしまった。 「ッッぶなぁ!!」 「ッしゃーせん!!」 雷電先輩は間一髪のところで避けたが、もし俺が踏んでいたらと思うとゾッとする。え、怒らない?流石に先輩が悪いよね?? 「新技....下から攻撃はダメかぁ....」 「地面にうもりながら分析しないでくださいよ.....」 (でも.....。そうか、"これ"が魔法なのか。) 魔法って、雷電先輩のように地面に埋まったり出来るのか.....! (.......え、どゆこと??) 「じゃあとりあえず.....」 雷電先輩がそう言葉をこぼしたときだった。 「おいシイナ!!!」 「あ?なんだよレイーー」 レイナが俺を大声で呼ぶので後ろを振り向いたら ブォン! 俺の方にどでかいオノが飛んできた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー サボりました!!!! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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