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「ねぇ?終わった?」
校舎の角から彼女は出てきた。
「よう楓、久々だな。制服似合ってる。…茶髪にしたんだな。」
「あぁ、ありがとう。あっちでは、茶髪の方がモテたんだよね。」
「けど、スカート短くないか?」
「さっきまで人を殴ってたひとがよくいうね。」
彼女は空坂楓。第四世代で、「四鬼操術」を使う。
海外留学から帰国中。
「でも、すごいね、瀬良君。
いまや関東最強のグループのリーダーになってるんでしょ?」
「そんなことないやろ。」
瀬良は謙遜する。
「いやいやぁ」
楓は続ける。
「グループの人から聞いたよ?めっちゃ怖いけど、時々見せるやさしさにみんな惹かれるんだってね。色男じゃん。」
「どこがだよ。」
瀬良は笑いながら突っ込む。
「それでいったらお前も。」
「ん?」
「お前が話聞いたのって本間だろ?いきなり「空坂さんって、彼氏いますか?」って、聞いてきてさ、もうビックリしたわ。」
「え…めんど。」
楓はあからさまにいやそうにする。が、
「って言うと思って、もうすでに彼氏いることにしておいた。」
「え?だれの?」
「勿論…俺の。」
「…えぇ」
「そんないやな顔するなよ…本人の前で。」
「…それで、相談って?」
楓が歩き出す。
「あぁ、それで呼んだんだったな。」
続いて瀬良も歩き出した。
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