一方、冒険者ギルドでは…

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「大変だ!」 冒険者ギルドに血塗れで入ってくる男が1人。血相を変え、鬼気迫る、といった雰囲気だ。 「あぁ、あなたはCランクパーティー『夢を見る者達(ドリーマーズ)』のリーダーを務めるCランク冒険者、コルック様ですね?今日は『軌跡のダンジョン』40階層の踏破に出向いていましたよね?それにパーティーメンバーは…」 何かに気づいたのか、ミリーは目を曇らせる。 「俺だけ帰還石で逃げてきた!早く討伐隊を編成してくれ!特殊個体だ!」 帰還石。それを使えばダンジョンから地上へと帰還することができる。それはダンジョンから取れる物の一つで、とても貴重な物である。それでいて消耗品かつ、使ってから効果を発揮するまでに10分近くかかる。だから、万が一のことを考えても購入する人は少ない。 「分かりました。とりあえず落ち着いてください。何階層ですか?」 「20階層だ!」 「!!そこには今、ニクロス(・・・・)が……」 「ニクロス?あの新人冒険者か!」 「えぇ。では、可及的速やかに討伐隊を編成させていただきます」 「どっちにしろ……アイツらは、どうぜ助からん。助けられるとしてもその新人冒険者だけだ!頼んだ!」 「はい…。お悔やみ申し上げます」 「要らねぇよ。こっちも死ぬごと前提でやっでんだがらよ…」 「では、これで。ギルドマスター!」
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