1人が本棚に入れています
本棚に追加
「シャコンヌだ」
「あ、それそれ」
ハイは少しイライラしていた。
「サンダーに向いた音楽にしてやるから待ってろ。好きだろ、MCハマー」
「あ、いいわ。代わりにあれかけてやれ」
ハイが奥に置かれたCDプレイヤーを操作する。「スカボロー・フェア」が流れた。
「このかぶせている歌詞、好きでさ。ハイのご先祖様の歌だっけ」
ハイはそうだな、と返した。
「あの戦争は文化に多大な影響を与えた」
「今の社会にも馴染むんだよな。あの戦争は昔過ぎて歴史で学ぶ位だけれど、メンタリティは変わってないと感じるわけよ。そういえばルシュンって知ってるか。髪の話の」
サンダーは語り始めた。一度話すととまらないタイプとみた。少し唾が飛ぶ。食卓ではしてほしくない。
ハイは気にする様子もなく、料理の入った皿を並べ始めた。野菜が沢山乗った焼きうどんのような食べ物だ。
「フォーサオだ」
「やった!」
最初のコメントを投稿しよう!