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部屋
二人の荷物をすべて運び終えた。
「ちょうど夕ご飯の時間だ。今から作るから待っていろ」
ジョージは手伝おうとしたがやんわりと断られた。
「料理は俺の領域だ」
「わかりました」
もしかしたらエリアPの料理が口に合わないのかもしれない。
「ならさ、ハイさん、毎回料理は疲れるからジョージと回してけば。ジョージは料理が得意で、俺ジョージが嫁だったらいいなと思っていたんだ」
ハイがぷっ、と吹き出す。
「まさか、信じられないのか?」
ハイは笑いながら返した。
「いや、彼の料理は俺も楽しみだ。エリアPの料理は大好きだがなかなか思い通りにできないからな。ただ、先程から貴様の態度や話し方が面白くて笑ってしまった。彼への愛が伝わった、というべきか…」
ジョージは目を白黒させた。ジョージにはそのような嗜好はない。
「愛、というか友情ですね。俺はジョージならなんでも許せるし安心できるんです。爺さんになってもそばにいたいというか」
ジョージは苦笑いをした。老後は一人でのんびり音楽を聞いて過ごしたいというプランがある。トムをいれるつもりはなかった。
「そのような安全基地があるのは良いことだ。出来上がったら連絡をする」
二人には携帯電話が渡された。トムの携帯電話は海王星のような青色、ジョージの携帯電話は緑がかった薄い水色だ。
「専用のチャットアプリケーションがあるからそれを使って連絡できる。ただ、俺は対面派だから部屋をノックしてくれれば応じる。サンダーに至っては機械に弱いから対面のほうが楽だ」
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