部屋

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メールが早速来た。トムからだ。 「インターネットが繋げない」 ジョージは頭を抱えた。トムは運動神経が抜群でかつ社会性はジョージなど比べ物にならないくらい優れているが、それ以外は何も出来ないのだ。米の朝食を希望するくせに炊飯器の使い方を知らないレベルだ。あまり一緒にいたくないのは、単純に色々やらなければならなくなるからというのもある。 三階に上がる。 「ありがとう!」 部屋はダンボールでぐちゃぐちゃだった。段ボールの中の衣服を出す。どれもこれもジョージが買う気にもならない高そうなものばかりだ。下着まで拘っている。洗濯の時、ジョージはかなり気を使っていたのを思い出した。 段ボールの中には、ガラクタばかり入っているものもあった。聞くと、ジョージといっしょに作ったものだというがジョージは思い出せない。 -そういえば。 ジョージはトムがいなければ夏休みは一人ぼっちだった。貧しくてどこにも連れて行ってもらえなかったジョージはトムがいたから長期の休みに耐えられた。 何だかんだでジョージも支えられていた。 「持ちつ持たれつ、か」 「ジョージ、どうした」 トムがジョージの独り言に気づいた。 「いや、なんでもない」
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