問題

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問題

皆さん、ここで一つ考えていただきたいことがあります。 皆さんはいかだに乗って世界一周旅行をします。そのいかだは世界中を回るからあちこち壊れます。皆さんは海を渡る度に壊れたところを直していきます。破損も起きますから、その度に新しいパーツを現地で取り寄せます。 お疲れ様でした。皆さんはこのタウンズビルに帰ってきました。しかし、いかだは何回も破損したので、全パーツ入れ替わっています。 果たしてそのいかだは出発したときと同じものと言えるでしょうか。 この問題について自分なりに答えを出して、レポートにまとめてくること。これが今回の課題です。 はい、皆さん、お疲れ様でした。意見が分かれましたね。さすがタウンズビル大学工学部のエリートたち。皆しっかり書けていました。 今日はこのテーマでディべートを行っていただきます。 お疲れ様でした。まとめますね。 まずは「言える」から。パーツは経年劣化も考えられるからパーツは問題にならない。外形を保っていればよいのではないか。…ふむ。 細胞は日々生まれ変わっている。もしいかだが別のものになるとすればその人間も他人ということになってしまう。 「言えない」は…やはりパーツが違うからですね。中にはパーツの記憶に着目した意見もありました。 記憶というと感傷的に聞こえますが、傷等による変容と、そこから起こる材質の特徴の変化、ということを論じたわけですね。つまり同じ柵の木でもなにかにぶつかったものとそうでないものでは耐久性などに影響が出るかもしれないというわけですか。 貴方がたは私を楽しませてくれる、良き学生です。ありがとうございました。
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