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ペンの先であごをとんとんしながら考えていると、強い秋風が窓からテーブルに舞こんでくる。
ひゅるるるる。
窓からふきこんだ一枚の真っ赤な紅葉が、くるくる踊るように舞ってルーズリーフの上に着地した。
きれいな落ち葉だ。りんごみたいに真っ赤。
そういえば今年まだ食べてないな。旬のりんご。
赤いフルーツといえば、冬になればみずみずしいいちごもでてくるし。
ケーキに乗ったラズベリーなんてのもいいよねぇ。
……いかんいかん。なんについて考えてたんだっけ。
手から離れた風船に向かったジャンプするように、激しく逸れていく思考を必死で取り戻す。
そのとき、アイディアに手がとどいた。
フルーツティー。
うん! 二人がデートで飲むのは、ホットフルーツティー! これだ!
そして、ペンを握った瞬間、ルーズリーフがひらりと手元から離れた。
ぺらりとその身をくねらせたかと思うと、ルーズリーフさんは魔女の見習いの少女のごとく秋風に乗り、窓の外へと旅立ってしまった。
うーんなんか風流。キャラクターたちが街に旅立つシーンなんて書かれたら、そりゃ紙も旅したくなるよね。ひらひらり。最初の目的地は、図書館の中庭ですか。いい旅を、ルーズリーフさん。
って。
のぉぉぉっ!
心の中で悲鳴を上げて、頭を両手で挟み込む動作をしたあと、席から立ち上がり、あたしは図書館の階段を駆け下りた。
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