Act5.アイドルは恋愛小説にハマっています

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「エクレールライブツアー恒例! メンバーのクイズコーナー!」  沸き起こる拍手。 「いよっ、待ってました!」「いえーい」  成瀬くんがガッツポーズで、愛内くんが両手のピースサインで合いの手を入れる。  トランペットのファンファーレとともに、舞台に真っ赤で豪華な椅子がせりあがってきた。 「ご説明しますと、ある一人のメンバーの自分に関するクイズをほかのメンバーとみなさんがあてるという、そういうコーナーです」 「いやそれ言わなくてもわかるっしょ、リーダー」  美谷島くんに成瀬くんがつっこんで会場を沸かせる。 「ツアーのたびに、オレたちが交代で自分に関する問題出題してるけど、今日は誰のクイズなのー?」  かわいく小首をかしげる愛内くんに答えたのは藤波くんだ。 「僕が思うにおそらく、その人物があのド派手な椅子にそろそろやってくるんじゃないかと」  これを受けて、まいりましょうと、美谷島くんがまた声をはる。 「クイズ・一路純!」  拍手とともに、ダークレッドのスーツにシルバーのラインが入った衣装で、純が登場し、悠々と赤い椅子に腰かけて――。 「純。出題者が回って来た今の心境どう?」
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