Act5.アイドルは恋愛小説にハマっています

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 美谷島くんの問いに、純は不敵に微笑んだ。 「今回は――攻めてくぜ」  沸き起こる歓声に得意げな笑顔で答える。 「もう、今までの出題なんかめじゃない、とっておきのクイズ用意してきたからよ」  さらに輪をかけて不敵に微笑んだのは藤波くんだった。 「純。それは、前回出題者を努めた僕への挑戦状かな?」 「いや」  びしっと、純は人差し指をメンバー一人一人につきつけて、 「今まで出題者を努めたメンバー全員への挑戦状だよ。覚悟して聞け」  客席からまたまた沸き起こる拍手&歓声。……舞台に上がっていても降りていても、ぶれずに偉そうってある意味才能だな。 「これは期待できそうだなぁ。では、純についてのクイズ! 問題をどうぞ!」  美谷島くんのふりに咳払いを一つ、純は言った。 「オレが最近はまってるものはな~んだ」  会場から笑いがおき、メンバー全員がずっこける。 「めちゃめちゃふつうの問題じゃん」  成瀬くんがホール一同の想いを代表してくれた。  なんだろうな、と美谷島くんが首を左右に振る。 「純といっしょにいる時間で言うと、長いのは正真かな。どう思う?」
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