Act6.セクシーダンスにテンパります

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 しっかりとあたしの肩を持って引き寄せた純が、なにか言いかけたとき。 「そっ。そんな……誰にでも差し伸べている手で触らないでっ」  絶賛混乱中のまま一言発して、ばっと身を引いた。  なんでそんなことしたのかって。  ぶっちゃけ自分でもなにがなんだかわかってないんだ。うん。  なんか芝居がかったセリフを口走った気はしたが。 「……な」  純と言えばものすごいショックを受けた顔で立ち尽くしている。  そしてちょっと首をかしげて、ぼそっと、 「んな言い方することねーだろ。昨日夜通し研究した本には、意地でも女を転ばすなって書いてあったし……」  ぶつぶつ、なんだかみょうな本のセンテンスを彼が口走ったような気がしたが、こちとらそれどころじゃない。  というのもあたしの脳裏には、昨日エクレールのライブのソロパートがさっきからエンドレスで流れていた。
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